今回の悩みは「他人に共感できない自分が好きになれない」です。
早速、この悩みを詳しくやってみましょう。
―― 35歳女性・相談内容「私は友達に悩みを相談されても共感できずに親身に話を聞くことができません。そんな自分が冷たい人間なのではと、思い自分を好きになれません」
こういう悩みです。
あなたならこの悩みに対してどのように答えてあげますか?
少しこの相談を考えやすいように整理してみましょう。
この悩みのポイントは2つ、「共感できない」と自分を好きになれない。ですね。その2つについて考えて見ましょう。
- ポイント①:共感できないとは何か?どこでつまずくのか?
- ポイント②:自分を好きになれない気持ちの正体と向き合い方
共感できないとは何か?どこでつまづくのか?
まず共感できないことは悪いことなのかについて。
共感できないのはある意味仕方ないといえます。それは個性でもあるからです。
しかし、諦める必要はありません。
相手と同じ気持ちになれなくても、否定せず話を聞くことはできます。
実践のヒント:
- 「うんうん」と、頷く。
- 「それってこういうこと?」と、確認の質問をする。
これだけでも充分寄り添えるはずです。心理カウンセラーではないのですから完璧を目指す必要はありません。 足らないところを受け入れて自分にできそうなことをする――この自分を受け入れる考えは ニーチェの運命愛と通じる所がありますね。
ニーチェの運命愛については コチラ
自分を好きになれない気持ちの正体と向き合い方
「自分のことが好きになれない」という悩みは、実は多くの人が抱えるものです。
些細なことで怒ってしまったり、つい余計なことを言ってしまい相手を傷つけてしまう――
そんな経験をきっかけに「私は冷たい人間なのでは」と自分を責める人もいます。
しかし、こうした人は往々にして 真面目で責任感が強いタイプ です。
裏を返せば「自分を厳しく律する力」を持っているということでもあります。
実存主義の視点から考える
哲学の視点から考えると、ジャン=ポール・サルトルの伴侶であり思想家でもあった
シモーヌ・ド・ボーヴォワール の言葉が参考になります。
彼女は「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と語りました。
これはサルトルの 実存主義 の思想から派生した言葉です。
実存主義とは?
- 人はあらかじめ決められた本質(目的や意味)を持って生まれるのではなく、ただ存在している。
- 未来の行動や選択によって、新しい自分を作り上げていく。
例えば「私は完璧主義者だからダメなんだ」と思ってしまう人もいるでしょう。
けれども、その性格は 生まれつき決まっていたものではなく、これまでの経験や選択の積み重ねで形成されたにすぎません。
✅ つまり「自分を変えることは不可能ではない」ということです。
今できること
だからこそ、自分を嫌うのではなく、過去の選択を見つめ直し、これからの行動で
「新しい自分」 を作っていくことができるのです。
これが実存主義が教える「自分との向き合い方」です。
🌸 今回のまとめ
- 自分を好きになれないのは、真面目で責任感が強い証拠。
- 性格や行動は「過去の選択」で作られてきたものにすぎない。
- 未来の選択次第で「新しい自分」を築ける。
- 完璧を求めず「今できること」を一歩ずつやってみる。
✍️ 著者のひとりごと
私も昔は「自分は冷たい人間なのでは?」と悩んだことがあります。
でも、人それぞれに得意不得意があって、それをすべて直す必要はないと気づきました。
足りないところは工夫で補えばいいし、それも含めて自分だと受け止めると、気持ちがぐっと楽になります。
自分を嫌うのではなく「そんな自分をどう活かすか」と考えてみると、少しずつ前に進めるのかもしれません。
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