夏目漱石『こころ』ゆかりの地を歩く──雑司ヶ谷さんぽ
夏目漱石の小説『こころ』を読んでいたら、ある地名が出てきました。
作中では主人公が墓参りに訪れていた場所で、そこにお墓があることだけは分かります。
これまでの人生で、おそらく一度も行ったことはない場所。
地図で調べてみると、池袋と西早稲田の間にあり、最寄り駅は副都心線の雑司ヶ谷駅。
副都心線はほとんど使ったことがない路線なので、小さな旅気分で向かってみました。

副都心線・雑司ヶ谷駅に到着
駅を出ると、すぐ目の前に都電荒川線(東京さくらトラム)が走っています。
踏切を渡った先で、大きなイチョウの木が迎えてくれました。
そこから続く趣ある参道には、昔ながらの店や小さなカフェが点在しています。
立ち寄ってみるのも楽しそうですが、今日は時間が限られていたので先を急ぎます。

鬼子母神堂へ
参道を左に曲がると、静かに佇む鬼子母神堂が現れます。
境内は落ち着いた空気に包まれ、歴史を感じさせる建物や大木が印象的です。
雑司ヶ谷鬼子母神堂とは?
雑司ヶ谷鬼子母神堂は、東京都豊島区雑司ヶ谷にある歴史あるお堂です。正式には「法明寺 鬼子母神堂」といい、安産・子育ての守護神を祀っています。境内には樹齢700年を超える大イチョウや、趣ある参道があり、地元の人々や観光客に親しまれています。
鬼子母神の由来
鬼子母神はもともとインドの夜叉で、人の子どもをさらって食べていたと伝えられています。しかし、お釈迦様に末の子を隠されたことで我が子を失う悲しみを知り、改心。以後は子どもや母親を守る神様となりました。この改心を象徴して、雑司ヶ谷鬼子母神堂では「鬼」の字から角を外した表記を用いています。
雑司ヶ谷鬼子母神堂の歴史
- 1561年(永禄4年):清土(現・目白台)で鬼子母神像が発見される
- 1578年(天正6年):雑司ヶ谷村の人々が堂を建立し安置
- 1664年(寛文4年):現在の本殿が建立
- 1700年(元禄13年):拝殿などを増築
- 2016年:国の重要文化財(建造物)に指定
ご利益
雑司ヶ谷鬼子母神堂では、以下のご利益があると信じられています。
- 安産
- 子授け
- 子育ての守護
- 無病息災
- 家内安全
- 学業成就
- 厄除け
見どころ
- 樹齢約700年の大イチョウ(東京都天然記念物)
- 歴史を感じる参道と門前町
- 国の重要文化財に指定された本殿・拝殿
また訪れたい場所
今日は時間がなく、鬼子母神堂だけの訪問となりましたが、
近くには雑司ヶ谷霊園や法明寺、少し足を伸ばせば護国寺もあります。
文学や歴史を感じながら、半日ゆっくり歩くのも楽しそうです。
まとめ
- 副都心線雑司ヶ谷駅から徒歩すぐの歴史ある街並み
- 夏目漱石ゆかりの雑司ヶ谷霊園や鬼子母神堂が見どころ
- カフェや参道の雰囲気も魅力的
- 半日〜1日の散策におすすめ
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